乾いているときは臭くないのに、濡れると急にタオルが臭くなるトラブルで困っていませんか?
タオルをきちんと洗濯していても、日々の洗濯では落としきれない汚れが溜まって、タオルが臭くなってしまうことがあります。
このような場合は、ちょっとした洗濯の裏技を使うことでタオルのニオイを落とすことができますので、この記事でその裏技のやり方をご紹介したいと思います。
今回は、タオルが濡れると臭い原因と対処法をご紹介します。
目次 [非表示]
タオルが濡れると臭くなる原因
「タオルが乾いているときは臭くないのに、濡れた瞬間に急に臭くなる」という場合は、洗濯で落ち切らなかった『ニオイ菌』もしくは『皮脂汚れ』が原因だと考えられます。
ニオイ菌も皮脂汚れもタオルが乾いているときは臭いを感じ取りづらいですが、『タオルが水を吸う→その水がタオルのニオイ菌や皮脂汚れを含んだ状態で気化する』ことで悪臭をより感じやすくなるため、「濡れたら臭くなった」と感じるようになります。
これが「タオルが濡れたら臭くなる」仕組みですが、「そもそも、洗濯しているのになんでニオイ菌が残っているのか」「なんで皮脂汚れがタオルに残っているのか」の原因も次の見出しから解説いたします。
- 【とりあえず対処法だけ知りたい方】
- 「原因はいいから、とりあえず対処法だけ知りたい」という方は、下記目次から対処法に移動できます。
タオルを洗濯しているのにニオイ菌や皮脂汚れが落ちない原因
普段の洗濯で使う洗剤は、「中性洗剤」もしくは「弱アルカリ性洗剤」ですが、これらの洗剤は「生地をなるべく傷めずに、汚れを落とす」ための洗剤なので「蓄積した汚れ」「大量に繁殖した雑菌」を落とすのには向いていません。
また、皮脂汚れは「アルカリ性」の汚れなので本来は「酸性洗剤」を使って洗濯した方が汚れ落ちがいいのですが、「酸性洗剤は衣類へのダメージが大きい」「洗濯槽や周辺部品の劣化を早める」といったデメリットがあるため、相性の悪い中性洗剤や弱アルカリ性洗剤が使われています。
これが、洗濯しているのに皮脂汚れがタオルに残る原因です。
ニオイ菌(モラクセラ菌・マイクロコッカス菌)が残る原因
皮脂汚れがタオルに残る仕組みを解説しましたが、では「ニオイ菌」がタオルに残る仕組みはどうなのかというと、これは「モラクセラ菌」と「マイクロコッカス菌」によって仕組みが異なるので表にまとめて解説したいと思います。
雑菌の種類 | 特徴 |
---|---|
モラクセラ菌 | ・雑巾、生乾き臭の原因菌 ・洗って干すだけでは死滅しない ・日光、紫外線に強い ・浴室乾燥や部屋干しで増えやすい ・洗濯から干すまでの時間が長いと増えやすい |
マイクロコッカス菌 | ・汗、すっぱい臭いの原因菌 ・タンパク質、皮脂汚れがあると増えやすい |
モラクセラ菌の場合は、「熱・日光・紫外線に強い」という特徴があるため、日本の洗濯機のように「常温の水で洗う」「日光に当てて干す」だけでは少なからずタオルに菌が残ってしまいます。
もう一方のマイクロコッカス菌については、「タオルの皮脂汚れ」を餌に増えるため、タオルに皮脂汚れが残っているとその皮脂を中心にマイクロコッカス菌が繁殖してしまいます。
先ほども紹介しましたが、皮脂汚れは通常の洗濯方法では完全に落としきることが難しいため、その皮脂汚れを餌にしているマイクロコッカス菌もタオルに残っていまいます。
これらが、「洗濯しているのにタオルが臭くなる根本的な原因」ですが、もう1点「洗濯槽にこびりついた汚れが原因になる」についてもご紹介しておきたいと思います。
- 【とりあえず対処法だけ知りたい方】
- 「原因はいいから、とりあえず対処法だけ知りたい」という方は、下記目次から対処法に移動できます。
洗濯槽にこびりついた「洗剤カス・皮脂汚れ・カビ」がタオルに移る
この次の見出しから「タオルの悪臭を取り除く方法」や「タオルを臭くしないための予防策」についてご紹介しますが、「洗濯槽に汚れがこびりついている」ような場合はこの先の対処法を使ってもニオイが残ることがあります。
洗濯槽は、 通常時で1ヵ月に1回、カビが繁殖しやすい梅雨時は1~2週間に1回ペースで掃除をするのが理想とされていますが、家事に慣れていない人だと『洗濯槽の掃除を1回もやったことがない』という人がいらっしゃいます。
洗濯槽の掃除をしていないと、洗濯槽の裏側に「洗剤カス・皮脂汚れ・カビ」などが付着してしまい、『きれいに洗濯したタオルにそれらの汚れが移ってしまう』といったトラブルが起こります。
洗濯槽の掃除は、「洗濯槽クリーナーを洗濯機に入れる→槽洗浄ボタンを押す」だけでできますので、一度も洗濯槽の掃除をやったことがない人は先に洗濯槽の掃除をされることをおすすめいたします。
1年以上1回も洗濯槽を掃除していないときは『分解清掃』を検討
洗濯槽クリーナーは強力な洗浄剤ですが、「1年以上1回も洗濯槽を掃除していない」というような場合は、洗濯槽クリーナーだけでは汚れを落としきれないこともあります。
ある程度の汚れは洗濯槽クリーナーを複数回繰り返すことで落とすことができますが、『どうしても落ちない』という場合は「洗濯槽の分解清掃」をやった方がいいかもしれません。
洗濯槽の分解清掃では、洗濯槽を洗濯機から取り外して直接洗浄するので、1回の清掃でしっかり洗濯槽の汚れを落とすことができます。
業者にもよりますが、大体1.5~3万円ほどでできますので、「どうやっても臭いがつく」という場合は業者に分解清掃を依頼してみるのもいいでしょう。
タオルが濡れると臭くなるときの対処法
モラクセラ菌やマイクロコッカス菌、皮脂汚れなど、タオルが臭くなる原因は色々ありましたが、それらの原因はちょっとしたお手入れで改善することができます。
そこでここでは「ちゃんと洗濯しているのに、タオルが臭くなる」というときに使える、タオルの臭いを元から消す方法をご紹介いたします。
臭い取りを行う前にタオルの洗濯表示をチェック
タオルの素材によっては、熱湯・高温乾燥・漂白剤などを使うと生地が傷んだり、変色したりすることがあります。
そのため、臭い取りを行う前に洗濯表示をチェックして、対処法を使っても問題ないか確認しておきましょう。
- 【チェックポイント】
- ・洗濯に使える水温
- ・乾燥機の使用可否
今回紹介する対処法は、普段使いするコットン(綿)100%や合成繊維のタオルについた臭い取りを想定しています。
シルクやリネン配合など、デリケートな素材のタオルだと生地が傷んだり、色落ちの原因に繋がりますのでやらないようにしましょう。
60℃以上の熱湯に漬け置きしてタオルの臭いを消す
モラクセラ菌が原因でタオルが臭くなっている場合は、「60℃以上の熱湯に20分漬け置き」するといった対処法を使うことで臭いを取ることができます。
ただ、60℃以上の温度を20分間維持しなければならないので、桶(おけ)などにお湯を貯めるのではなく、鍋で煮沸するのがおすすめです。
鍋でお湯を沸騰するまで沸かすと約100℃と高温になりますが、一般的なコットン(綿)100%のタオルであれば問題ありません。
- 【熱湯を使った方法】
- 1.鍋でお湯を沸かす
- 2.沸騰したお湯の中にタオルを入れる
- 3.空焚きに注意しながら、タオルを20分間漬け置きする
- 4.すぐにタオルを取り出して普段通り洗濯する
- ※取り出す際は、火傷にご注意ください。
熱湯漬け置きのメリットは、「家にあるものだけで出来るので、お金がかからない(ガス代はかかりますが・・)」ことです。
ただ、「タオルが少なからず傷む」「空焚きしないように鍋から離れられない」「1回で漬け置きできるのは2~3枚ほど」というデメリットもあります。
このデメリットが気になる場合は、後述の酸素系漂白剤を使った対処法を使うのがおすすめです。
コインランドリーの高温乾燥でタオルの臭いを消す
モラクセラ菌が原因の場合は、「コインランドリーの高温乾燥機能」を使うことで臭いを改善できる可能性があります。
家庭用洗濯機の乾燥機能だと50~60℃の低温乾燥が主流で温度を自由に選べませんが、コインランドリーの乾燥機の場合は70~80℃の高温乾燥が使えるので、乾燥するだけでモラクセラ菌を死滅させることができます。
ただし、コインランドリーによっては乾燥機の温度を変える機能がついた乾燥機がないこともあるので、行く前に温度変更ができるかどうか調べられることをおすすめいたします。
酸素系漂白剤で漬け置きする
熱湯を使った方法でも臭いが改善しないときは、酸素系漂白剤を使った方法を試してみましょう。
酸素系漂白剤の代表的な製品には『オキシクリーン』が挙げられます。
漂白剤特有の刺激臭もなく、色落ちもしにくいという特徴があることから同じく漂白剤である塩素系漂白剤よりも使いやすいのがメリットです。
- 【準備するもの】
- ・酸素系漂白剤(オキシクリーンなど)
- ・ゴム手袋
- ・お湯(50~60度)
- 【酸素系漂白剤を使った手順】
- 1.お湯(50~60℃)を入れた容器に酸素系漂白剤とタオルを入れる。
- 2.60分ほど放置する。
- 3.水で軽くすすいで、水分を絞る。
- 4.普段通り洗濯する
- ※洗面台で行う場合は、50℃までが安心です。
- ※気温が低い時期に洗面台に熱湯を注ぐと、ひび割れの原因になるのでご注意ください。
「結局、お湯って準備しないといけないんだ・・めんどくさい」と思われる方もいらっしゃると思いますが、50~60℃のお湯なら蛇口から直接出せます。
給湯器の温度設定を50~60℃に設定して、いつも通りお湯の蛇口を捻れば、50~60℃のお湯を出すことができます。
酸素系漂白剤を使うなら折りたたみバケツがおすすめ
酸素系漂白剤でタオルや衣服の漬け置きをする場合、洗面台を使う方が多いですが、ご予算があれば「折りたたみバケツ」を使うのがおすすめです。
折りたたみバケツであれば、洗面台よりもたくさんのタオルを漬け置きすることができますし、洗面台を塞ぐことがないので「手が洗えない」「家族が洗面台を使えない」といったトラブルがなくなります。
また、普通のバケツと違い、使用後は折りたたんで収納できるので邪魔にならず、片付けスペースに悩まされることもありません。
ただし、折りたたみバケツの耐熱温度は『60度まで』のものが多いので、オキシ漬けする際はお湯の温度は50度くらいにしておきましょう。
タオルが濡れても臭くしないための予防方法
ここまで、根本的な臭い除去のやり方をご紹介しましたが、「対処法を使った直後は臭くないのに、1~2回使ったらまた臭くなる」という方もいらっしゃると思います。
ここでは、そのような方に向けて、タオルが濡れても臭くしないための予防方法をご紹介いたします。
洗濯槽にこびりついた汚れを掃除する
洗濯機を使っていると、洗濯槽の裏側に「水に溶けきらなかった洗剤がこびりつく→そこにカビや汚れが付着する」といった具合に汚れが徐々に蓄積されていきます。
汚れが付着した洗濯槽で洗濯していると、洗濯槽の汚れが水に溶けだし、洗濯している衣類に汚れが付着してしまうため、洗濯槽クリーナーを使って月に1回お手入れされることをおすすめいたします。
掃除自体は簡単で、「洗濯槽クリーナーを洗濯機に入れる→槽洗浄ボタンを押す」だけで終わりますので、「対処法を試してもすぐタオルが臭くなる」という場合は洗濯槽の掃除をやってみてください。
洗濯槽クリーナーを使ってもニオイが気になる場合
「洗濯槽クリーナーを使ったけど、やっぱりタオルがすぐ臭くなる」という場合は、洗濯槽の『分解清掃』を試した方がいいかもしれません。
基本的には洗濯槽クリーナーを定期的に使っていれば汚れが蓄積することはありませんが、「1年以上洗濯槽を掃除していなかった」「3年以上同じ洗濯機を使っている」というような場合は、洗濯槽クリーナーだけで汚れを落としきれないこともあります。
洗濯機の分解清掃は大体1.5~3万円前後でできますので、新しい洗濯機に買い替えるよりも安く済むので、洗濯槽クリーナーを使っても『まだニオイが気になる』という場合は、最終手段として分解清掃を検討してみてください。
バスタオルも都度洗濯する
バスタオルは汚れが目立ちにくいことから、複数回使用してから洗うという方もいらっしゃいます。
ただ、きれいな手や体を拭いているタオルでも皮脂汚れは付いてしまいますし、洗濯までの時間が空けば空くほど、汚れは落ちづらくなります。
そのため、バスタオルでも臭いが気になるときは、使った翌日には洗濯されることをおすすめいたします。
おふろの残り湯を使うのはNG
節水効果や汚れが落ちやすいというメリットがある残り湯での洗濯は、実は臭いの原因になってしまう事もあります。
お風呂の残り湯には皮脂や雑菌がわいているため、洗濯に使うことでタオルにも移ってしまいます。
どうしても残り湯を使用したい場合は『洗い』のみに使用する、雑菌が増える前に入浴後すぐに洗濯に使うといった工夫をしましょう。
ニオイ菌が繁殖しないようにすぐ乾かす
モラクセラ菌に関わらず、悪臭を放つ菌は湿度が高いほど繁殖スピードが早くなるので、洗濯物はなるべく早く乾かすようにしましょう。
「部屋干しだから、どうしても乾くまでに時間がかかる」「風通し・日当たりが悪いベランダだから、乾くのが遅い」という場合でもできる、色々な対処法があるのでご紹介いたします。
- 【タオルを早く乾かすコツ】
- ・干し方を工夫する
- ・衣類乾燥機を使う
洗濯物が乾きやすくなる干し方
「外干しだけど、風通し・日当たりが悪いから乾くのが遅い」という場合は、干し方を工夫することで、洗濯物が乾くスピードを少しだけ早くできる可能性があります。
- 【乾きやすくするコツ】
- ・上下に振ってから干す
- ・横向きに干す
- ・ジグザグに干す
タオルの『パイル(繊維の輪っかのこと)』が倒れたままだとタオルが乾くスピードが遅くなるため、タオルを上下に振ってパイルを起こしてから干すことで乾くスピードを少し早くすることができます。
また、『タオルを縦に長く吊るして干す』とタオルの下側は上から落ちてくる水分で乾くスピードが遅くなるため、「横向きに干す・ジグザグに干す」方が縦に長く吊るして干すよりも乾くスピードが早くなります。
部屋干しなら『除湿機能付きの衣類乾燥機』がおすすめ
浴室乾燥機能がある家の方であれば必要ありませんが、『浴室乾燥機能がない家で部屋干しをしている』という場合は、『除湿機能付き』の衣類乾燥機を使われることをおすすめいたします。
浴室乾燥機能では「給湯器で高温の風を出して衣類を乾かす」のに対して、衣類乾燥機では「除湿をしつつ、高温の風を出して衣類を乾かす」ので、部屋干しでよくある「湿気・生乾き臭」を抑えながら乾かすことができます。
昔は、簡易的な除湿乾燥機でも5~6万円が当たり前でしたが、最近は2~3万円前後で高性能な除湿乾燥機が売られていますので「部屋干しで洗濯物が乾きづらい」という方は除湿乾燥機の利用を検討してみてください。
タオルが濡れると急に臭くなる原因と対処法まとめ
普段、洗濯に使う洗剤ではタオルに付着する皮脂や雑菌を完璧に落とすことはできず、少しずつ汚れや菌がタオルに蓄積していきます。
そのため、「タオルが臭くなってきたな」と思ったら、熱湯や酸素系漂白剤で漬け置きして蓄積した汚れや菌を取り除くことをおすすめいたします。
また、「タオルの臭いを取っても、またすぐにタオルが臭くなる」という場合は洗濯槽の汚れが原因の可能性があるので、洗濯槽クリーナーを使って洗濯槽のお掃除をされるといいでしょう。
ここまでの対策を行ったのに、「やっぱりタオルが臭くなる」という場合は3年以上同じ洗濯機を使っているなら買い替えるか、『洗濯槽の分解清掃』を検討してみてください。
大体1.5~3万円位でやってもらえますので、業者の検索サイトなどで評価の高いよさそうな業者を探してみてはいかがでしょうか。