「ニオイ消しを使っているのに、靴が臭い」「洗っても靴がすぐ臭くなる」など、靴のニオイで困っていませんか?
靴に染みついた悪臭は、重曹やオキシクリーンなどのアルカリ性洗剤を使うことで取ることができますが、アルカリ性洗剤を使えない素材の靴もあります。
また、革靴やブーツなどの「湿気がこもりやすい靴」の場合は、一時的に臭いが消えても「悪臭がすぐに再発してしまう」ということもあり、予防策などが必要になります。
この記事では、そんな「靴のニオイ」に悩んでいる方に向けて、基本的な靴のニオイ取りのやり方や、靴の消臭に特化したお手入れグッズをご紹介いたします。
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靴の臭いニオイの原因とは?悪臭が発生する仕組み
靴から悪臭がする主な原因には、『ニオイを発する雑菌の繁殖』と『皮脂・タンパク質汚れの酸化』の2種類があります。
どちらの原因も、季節問わず起こる可能性がありますが、特に『ニオイを発する雑菌の繁殖』は梅雨時、『皮脂・タンパク質汚れの酸化』は夏場に多くなります。
原因によって、効果的なニオイ取りの方法が異なるため、まずはそれぞれの根本的な原因とどういった対処法が効果的なのかについて解説したいと思います。
雨で靴が臭くなるのは雑菌が繁殖するため
ニオイを発する菌は常に空気中に存在していますが、梅雨の湿度が高くなる時期は特に菌が繁殖しやすくなります。
ニオイ菌は、足から出てくる『汗(の中に含まれる皮脂やタンパク質)』を分解し、悪臭が発生する物質を生成します。
そのため、ニオイ菌がたくさん繁殖すると、靴に染み込んだ汗を分解して「悪臭が発生する物質を大量生産」するため、靴が臭くなります。
このような雑菌の繁殖が原因でニオイが発生している場合は、『重曹を使ったニオイ取り』や『専用クリーナーで洗う』といった方法でニオイを取ることができます。
汗で靴が臭くなるのは皮脂とタンパク質汚れの酸化
汗に含まれている「皮脂・タンパク質」は、ニオイ菌の餌にもなりますが、時間が経つとそれ自体が酸化して悪臭を放つようになります。
子供の運動靴やジムで使うスニーカーなど、汗を大量に含む靴は、『オキシクリーンやハイター』を使って皮脂・タンパク質汚れそのものを取り除くといいでしょう。
ただし、革靴やスエード、エナメルなどのデリケートな素材は洗剤で丸洗いができないので、『靴用クリーナー』で洗うか『専用消臭剤』につけ置きするのがおすすめです。
- 【運動靴やスニーカー向け】
- ・オキシクリーンを使ったニオイ取り
- ・ハイターを使ったニオイ取り
- 【デリケート素材向け】
- ・靴用クリーナーを使ったニオイ取り
- ・ブーツ・ヒール・パンプスは『グランズレメディ』
靴の臭いニオイの取り方
「中性洗剤とブラシを使って靴を洗ったけど、ニオイが取れない」という人もいらっしゃると思います。
中性洗剤だけですと、靴に染み込んだ皮脂・タンパク質汚れが落ちづらいので、ニオイがひどい靴は「弱アルカリ性洗剤でつけ置き」して洗うのがおすすめです。
素材やニオイに合わせた『靴のニオイ取りのやり方』は色々ありますので、ここでは、使うべき洗剤やつけ置きのやり方について解説したいと思います。
重曹を粉のままかけて靴の臭いを取る
重曹は水に溶けると弱アルカリ性を示す洗剤で、ニオイ菌や皮脂・タンパク質汚れの消臭に適した洗剤です。
また、粉末の状態で「吸湿」「酸化したニオイの中和」効果があるので、「デリケート素材の靴に粉のままかけて悪臭を取る」といった使い方ができます。
- 【重曹を使ったニオイ取りのやり方】
- 1.靴に重曹をまんべんなく振りかける。
- 2.そのまま一晩程度放置する。
- 3.重曹をブラシで払い落とす。
軽い悪臭であれば、重曹を一晩ふりかけておくだけでニオイを取ることができます。
ただし、「夏場の暑い日に靴を履いて大量に汗をかいた」「日頃から外回りで長時間靴を履く」といった場合は、重曹だけではニオイを取るのは難しいでしょう。
重曹でニオイを取るのが難しいときは、運動靴やスニーカーであれば『オキシクリーンを使った靴のニオイ取り』、革靴・ブーツ・パンプスであれば『グランズレメディを使った靴のニオイ取り』を使うのがおすすめです。
重曹を水に溶かして靴をつけ置きする
スニーカーや運動靴のような丸洗いができる靴なら、重曹を溶かした水でつけ置き洗いする方法がおすすめです。
布に染み込んだ泥に混ざった皮脂汚れを重曹が分解して、ブラシで汚れをかき出しやすくなります。
- 【準備するもの】
- ・重曹 大さじ3
- ・お湯(50℃前後) 1L
- ・靴用洗剤
- ・ブラシ
- 【つけ置き方法】
- 1.お湯1Lに対して、大さじ3杯の重曹を溶かす。
- 2.1時間ほど、つけ置きする。
- 3.ブラシに中性洗剤をかけて、靴を洗う。
- 4.水ですすいで、風通しのいい場所で干す。
色付きスニーカーは洗えるがデリケート素材は洗えない
重曹であれば、色付きのスニーカーでも、ほとんど色落ちを気にすることなく使うことができます。
ただし、デリケートな素材の靴はつけ置きすることができないので注意しましょう。
- 【つけ置き洗いNGな素材】
- ・革靴
- ・スエード
- ・エナメル
- ・ムートン
この記事でも度々注意喚起を行っていますが、上記デリケート素材はつけ置き洗いができないのでご注意ください。
オキシクリーンで靴を洗って臭いを取る
『オキシ漬け』で大人気のオキシクリーンは、酸素系漂白剤と呼ばれる洗剤の一種です。弱アルカリ性の洗剤で、靴に染み込んだ皮脂・タンパク質を強力に洗浄することができます。
重曹よりも洗浄力が高いため、「もともと皮脂の分泌量が多い人」「運動で大量に汗をかく靴」のニオイ取りに向いています。
洗浄力だけでなく消臭効果や除菌効果も優れているので、靴に発生した臭いの原因である雑菌の除去にもおすすめです。
- 【準備するもの】
- ・オキシクリーン スプーン1杯
- ・お湯(50℃前後)
- ・ブラシ
- ・ゴム手袋
- 【オキシクリーンを使ったニオイ取りのやり方】
- 1.お湯にオキシクリーンを溶かす。
- 2.靴をつけ込んで1時間放置する。
- 3.洗剤はつけずにブラシで洗う。
- 4.水でしっかりすすいで、風通しのいい場所に干す。
オキシクリーンは、染み込んだニオイを取り除くのにおすすめですが、「皮脂・汗の分泌量が多い」とすぐに悪臭が再発してしまいます。
皮脂・汗の分泌量が多い場合は、「抗菌剤を含んだ消臭剤」を使うことで、悪臭の発生を予防することができます。
抗菌剤を含んだ消臭剤については「靴の臭いが重曹やオキシクリーンで取れない時の対処法」で紹介しています。
消臭力は強いが白のスニーカー以外には使えない
オキシクリーンは塩素系のものよりは弱いものの漂白剤なので、色付きのスニーカーに使用すると色落ちしてしまう可能性があります。
また、下記のような素材に使用すると傷んでしまうこともあるので、洗う前に靴の素材をチェックしておきましょう。
- 【オキシクリーンがNGな素材】
- ・レザー、合皮
- ・エナメル
- ・ムートン
- ・スエード
- ・アクセサリー付きの靴
- ・金属(ファスナー・スナップボタンなど)が付いている靴
上記のような素材や靴にアクセサリー類が付属している場合にオキシ漬けすると、傷んでしまったり破損の原因となります。
また上記に当てはまらなくても、靴の洗濯表示に『ドライクリーニング表示』のあるものは使用を避けましょう。
ハイターを使って靴の臭いを取る
運動靴や長く洗っていなかった靴など、汚れ・ニオイがひどい靴は「ハイター」を使ってみてはいかがでしょうか。
ハイターは塩素系の漂白剤で、重曹やオキシクリーンよりも汚れ・ニオイ落ちがいいという特徴があります。
一方で、「色落ち・型崩れしやすい・生地が傷みやすい」といったデメリットもあるので、白の丈夫な生地のスニーカー以外にはあまり使わない方がいいでしょう。
- 【準備するもの】
- ・ハイター
- ・水
- ・ブラシ
- ・ゴム手袋
- 【ハイターでつけ置きする方法】
- ※必ずゴム手袋を着用して行いましょう。
- 1.表面に付いている汚れをブラシで軽く落とす。
- 2.水5Lに対して12mlのハイターを加える。
- 3.30分ほどつけ置きする(長くても2時間以内)。
- 4.水でしっかりすすいで、風通しのいい場所に干す。
塩素臭がきつい&白スニーカー以外使えない
ハイターは洗浄力が高い分、「塩素臭がキツイ」「溶け残りがあると肌があれる」といったデメリットがあります。
使用するときは必ずゴム手袋を着用し、室内で洗う場合は換気をしながら、できるだけ屋外で洗いましょう。
また、ハイターは漂白することを目的とした製品なので、色付きのものをつけ置きすると退色の原因となります。
靴の素材によっては白くても傷んでしまう原因となるため、基本的に使えるのは白のスニーカーということを覚えておきましょう。
ヒール・パンプス・革靴に染み込んだ汗の臭いの取り方
革靴やパンプスなどは、専用のクリーナーを使えば自分でも洗うことができます。
ただ、革やスエードなどの水分が苦手な素材の場合は慣れていないと靴が傷んでしまう可能性もあるので、不安な方はクリーニングに出すことも検討してみてください。
- 【準備するもの】
- ・革靴専用の洗剤
- ・仕上げクリーム
- ・水
- ・水と洗剤を混ぜる容器
- ・きれいなタオル2枚
- ・布
- 【革靴の洗い方】
- 1.容器に革靴専用洗剤と水を入れて、よく混ぜる(分量は製品説明確認)
- 2.(1)の洗浄液を染み込ませたタオルで、靴を洗う
- 3.水でよくすすいで、乾いたタオルで水気を取る
- 4.保湿用の仕上げクリームを塗って、風通しのいい場所で干す
革靴専用洗剤は製品によって使い方が異なるので、細かい手順はご購入された製品説明書をよく確認してから使うようにしましょう。
今回紹介した手順は、下記製品の使い方手順です。
プロががっつり洗う「手洗いクリーニング」が人気
昔は靴の表面についた汚れだけを取り除くドライクリーニングしかありませんでしたが、最近は「プロが1足ずつ手洗いするクリーニング」サービスがあります。
宅配クリーニングになりますが、「くつリネット」というサービスを使えば、靴をダンボールに詰めて送るだけで靴をきれいに洗ってもらうことができます。
悪臭だけでなく「カビ汚れ」「シミ」も落としてもらうことができるので、デリケート素材の靴を丸洗いしたい場合はプロの手洗いクリーニングを使ってみるのもいいでしょう。
靴の臭いが重曹やオキシクリーンで取れない時の対処法
「洗ってもすぐに悪臭が復活する」「丸洗いできない素材だからニオイ取りができない」など、重曹やオキシクリーンでは靴のニオイ取りができないということもあると思います。
そのような場合は、靴のニオイ対策グッズを使ってみてはいかがでしょうか。
色々なニオイ対策グッズがありますが、ここでは「靴の悪臭を消したい」という方向けの対策グッズを2つご紹介いたします。
市販の靴用消臭スプレーを使う
「洗った後は臭くなかったけど、1~3日程度でニオイが復活した」というような場合は、靴の中で雑菌が早いペースで繁殖できる環境ができてしまっているのが原因です。
このようなときは、消臭スプレーを使うといいでしょう。
靴用消臭スプレーには色々な製品がありますが、「すぐに靴が臭くなる」という場合は、「除菌」と「抗菌」効果があるスプレーを選ぶようにしましょう。
除菌のみの消臭スプレーですと、スプレーを使った後はニオイが消えても、『履いて半日もすればニオイが復活してしまう』ので、それが気になる方は抗菌効果も備わった消臭スプレーを買うことをおすすめします。
ブーツ・ヒール・パンプス・革靴の臭いも消す『グランズレメディ』
ニュージーランド発祥の消臭剤である『グランズレメディ』は、靴に染みついてしまった臭いの消臭、臭いの再発を防ぐ抗菌効果のある消臭剤です。
天然成分を使用している粉末タイプの消臭剤なので、革靴やパンプスなど靴の素材や色問わず使用できます。
1日に1回靴の中にまんべんなく粉末を振りかけるだけで簡単に消臭することができるため、お手入れが面倒に感じる方でも続けやすいというメリットがあります。
どの方法を試してみても効果がなかったという場合は、グランズレメディを試してみてはいかがでしょうか。
靴の臭いニオイの取り方まとめ
今回は、靴のニオイの取り方をご紹介しました。
靴は付着した汗や皮脂などの汚れをエサとする雑菌が繁殖することで臭いの原因となるため、定期的なメンテナンスを行うことが大切です。
靴を長く履き続けるためにも、今回ご紹介した方法をぜひ参考にしてみてください。